先輩の活躍

経営工学領域
博士前期課程1年 佐藤夏輝

私は、日本の上場企業を対象に不正会計を実施する企業を判別するモデルの構築について研究をしています。近年、不正会計が増加していることもあり、どのように監査で不正会計を見抜くかが課題となっています。この研究で構築するモデル(不正会計検知モデル)は、公認会計士や監査法人等が監査の現場で活用されることを想定しています。そこで、会計監査の最前線で活躍されている監査法人と共同研究を進めており、得られた研究成果に対するフィードバックをいただき、そのフィードバックを基にモデルの改善を行っております。不正会計に関する研究で解決されていない問題の解決と、実務における不正会計検知モデルの活用を両立させるべく、現在は、より精度が高く、結果の解釈が容易なモデルの構築を目指しています。
本研究は、研究室の4年生4名と3年生1名とチーム単位で研究を進めており、その中で私はリーダーを務めています。主な活動として、データセットの構築、モデルの推定などに加え、各メンバーの進捗の管理や研究報告のアドバイスなども行っています。特にデータセットの構築については、共同研究を行っている監査法人で実際に使用するデータベースとなることもあり、監査法人の担当者との打ち合わせを踏まえ、研究室内でどのようにデータを収集し、データセットとして反映させていくかのマニュアルを作成し、不明点などがあれば都度解消していくという手順を踏んでいます。
研究成果の公開についても積極的に行っています。学部4年生の時に卒業研究の内容を海外学会で報告しました。また、博士前期課程に進学後、2021年5月の日本経営工学会春季大会で研究成果を報告し、研究内容とプレゼンテーションが評価され「Best Presentation Award」を受賞することができました。さらに、同年秋に、研究論文2本執筆し投稿しました。今後も学内外問わず研究成果を報告し、研究内容をブラッシュアップしていく予定です。

経営工学領域
博士前期課程2年 荒木匠平

私は、もともと学部卒で就職するつもりで就職活動を行っており、希望する企業から内定をもらっていました。しかし、学部4年次に卒業研究を進めていく中で、データを解析するし、新しい発見が得られることが楽しく感じるようになり、また、研究室の指導教員から大学院への進学を勧められため、このまま内定先に就職するか、大学院へ進学するかで迷うようになりました。両親の理解を得て、4年次の1月に内定を辞退し、進学を決意しました。
現在、私は「旅行情報サイトにおけるランキングと口コミ内容の関係性」をテーマに研究を進めています。旅行情報サイトで作成・公表されているランキングに対して、利用者がサイトに書き込んだ口コミというテキストデータを用いて、このデータに対してテキストマイニングを行い変数化し、ランキングにどのような影響を与えているかを調べています。テキストデータはこれまで質的なデータと捉えられてきましたが、テキストマイニングの手法を適用することで、テキストデータという質的なデータから量的な特徴を取り出すことが可能になります。
研究成果については、大学院に在学中、国内の学会にて3回の発表を行いました。また、博士前期課程1年次の春に、卒業研究の内容をブラッシュアップした上で、日本経営工学会の学会誌『日本経営工学会論文誌』に論文投稿しました。査読者の先生からのコメントに対応し、博士前期課程2年次の11月に『日本経営工学会論文誌』への採択が決まりました。
私は、IT企業に就職します。研究などで学んだことを生かして、社会に貢献していきたいと思います。

経営工学領域
2020年度博士前期課程修了 太田和希

私は、元々は学部卒で就職するつもりでしたが、修士課程へ進学しました。就活中に「理論を分かって使うのと、ただ使うのでは大きな差がある」という話を聞き、「進学して知識を深めたい、自分の力を伸ばしたい」という思いが芽生え進学を決めました。
修士課程へ進学してから学部生の時と比べ、「論理的思考力が向上した、自分への自信がついた、視野が広がった」と感じています。これらの力は主に研究を通して身についたものだと考えています。現在、工場やオフィスの従業員を顧客とする法人向け仕出し弁当事業を営む企業と共同で、「数理最適化に基づく日替わり弁当の献立作成」の研究を行っており、月1回の頻度での報告会があります。その際に、「なぜこの結果になったのか」、「相手の興味はどこにあるのか」などを考えて資料を作成し、報告を行っていることが、成長の要因の1つだと考えています。
授業は、私の研究に直接関係してくる「数理最適化」に関するものや、少量のデータしか得られなかった場合にも威力を発揮する「ベイズ理論」に関するものなど、自身の研究に関係する・しないに関わらず様々なものがあります。授業形式は輪講となるため、自分の担当範囲を人に説明できるまで理解し、相手が理解できるように説明することが必要です。また、少人数で行われるため、分からないことは質問し、議論を行うことでより深い理解をすることができています。
私は、2019年度に研究成果を国内外で計3回発表しました。その中で、電気学会の電子・情報・システム部門研究会では優秀論文発表賞を受賞することができました。また、2019年10月のアメリカでの国際会議「WCECS'19」で英語によるプレゼンを行い、Best Student Paper Awardを受賞することができました。これらの経験は大きな自信になりました。

経営工学領域
2020年度博士前期課程修了 狩野桜

現在、1日に約13,000食の弁当を製造する神奈川県内の企業と共同研究で、「状態空間モデルによる仕出し弁当の需要予測」の研究をしています。7人の研究チームの学生リーダーとしてデータ分析手法と予測モデルの提案、チームの管理、企業への報告資料作成とプレゼンをしています。
提供されたデータは深層学習を使うには情報量が少なかったため、予測モデルとして「状態空間モデル」に着目して専門書で集中的に勉強しました。また、現場の需要予測を担当しているベテラン社員の方に週3回のSkypeによるヒアリングを延べ約100時間行いました。データ分析と現場へのヒアリング、モデル構築を繰り返した結果、予測精度が向上し、現場に適用される見込みです。
学生リーダーとしてはメンバーの得意分野を考慮した役割分担や進捗管理を行っています。うまく進められないメンバーに対しては、積極的にコミュニケーションをとりサポートしています。共同研究先の社長室や現場への進捗報告のために10回以上のプレゼン資料を作成しました。指導教員に報告相談してアドバイスを頂きながら、現場に役立つ分析結果は何か、相手の興味は何か、などを自分で考え工夫しました。社長から高い評価を頂くことができ、現在も共同研究が続いています。
2019年11月の日本経営システム学会全国研究発表大会で成果を発表したところ学生の中から数名にだけ与えられる「学生研究発表優秀賞」を受賞することができました。また、2020年2月のオランダでの国際会議で英語によるプレゼンも経験しました。