先輩の活躍
応用化学領域
博士前期課程2年 中山 保先
私はこれまでに何度か研究発表を行っていますが、その中でも一番印象に残っているのは大学四年生のときの夏期の日本金属学会での発表です。この発表は私にとって一番最初の大きな発表の場でしたが、まさか卒業研究を始めて半年も経たないうちに大きな発表をするとは思ってもいなかったので「発表しないか?」と言われたときは大変驚きました。不安な気持ちもありましたが、このようなチャンスはめったにないので参加することに決めました。
その後はこれまでの研究データの整理と補足実験を行い、知識不足を補うために文献を読み、直前には発表練習を行い万全の体制で本番に臨みました。また、本番では緊張することが予想でき、私は緊張すると早口になるのでなるべくゆっくり話すように心がけるようにしました。実際、本番では前準備とこの心がけのおかげで極度の緊張をした私でも何とか発表することが出来ましたが、とても満足できる出来ではなく発表後は落ち込みました。
しかし、この経験のおかげで次回からは満足のいくような発表が出来るようになり、また、私の研究に対する姿勢をいい方向に向かわしてくれました。この経験は私を一回りも二回りも大きくしてくれました。
応用化学領域
博士前期課程2年 山田 祐泰
私の研究テーマは、金属ナノ粒子を内包した様々なナノ構造体の調製とその触媒作用についてです。
本研究室でのナノ構造体の調製法について説明しますと、有機溶媒中で再結晶した金属アンミン錯体の表面に金属酸化物源となる金属アルコキシドを選択的に加水分解させることによって鋳型を酸化物源で被覆したものが得られます。さらに得られたものに熱処理を加えると金属ナノ粒子を内包した酸化物ナノチューブおよびカプセルが調製できます。またこの調製法を逆ミセル中で応用すると均一なナノ粒子が調製できます。
本研究室ではこうしてできた酸化物ナノチューブを一酸化炭素の水素化反応の触媒として用いると通常用いられている含浸法触媒よりも含酸素化合物を高選択的に生成することを見出してきました。このことを基にして私は金属アンミン錯体を鋳型として様々な金属アルコキシドを用いてナノ構造体の調製とその触媒作用について研究を行っています。これまでに白金ナノ粒子を内包した酸化物ジルコニウムと酸化物バナジウムのナノ構造体の調製に成功しています。
これからの課題はこの触媒にあった反応を見出すことと新規のナノ構造体の調製を検討する事です。