委員長の挨拶

工学研究科の特徴ある研究と教育

工学研究科 委員長 
田村 忠久

工学研究科 委員長

神奈川大学大学院工学研究科は、2019年度に改組を行い、それまでの5専攻から工学専攻と建築学専攻の2専攻となりました。工学専攻は7つの領域からなり、それまで4つの専攻であった機械工学領域、電気電子情報工学領域、応用化学領域、経営工学領域の他に、新たな領域として情報システム創成領域、応用物理学領域、生命機能工学領域を加え、多様化する産業のニーズに対応して、様々な分野で活躍することができる人材の育成を目指しています。
神奈川大学工学部でも、2022年度には建築学科が建築学部として独立し、さらに2023年度には理学部と工学部の理工系学科を統合して情報学部および化学生命学部へと再編される他、工学部には新たに応用物理学科が加わり、その他の学科もリニューアルされます。このように、教育と研究をより充実させるための改革を行って、大学も大きく変わろうとしています。そのような大学での学びを通して、学問に興味を持ち、特に研究の面白さに気付いて、その興味を一層深めたい、もっと突き詰めてみたいという気持ちが芽生えることも今後一層増えるのではないかと期待しています。そのような欲求に応える体制が、先行して改組を実施した工学研究科には整っています。
さて、大学生の皆さんが大学院への進学を意識するようになるのは、学部での卒業研究の経験が大きいと思います。工学研究科では、その卒業研究にあたる科目である特別実験を通した研究活動が主となります。もちろん講義科目もありますが、断然、研究活動が中心となります。指導教員に研究の進捗状況を報告しながら研究計画を相談しつつ、ときには研究室の仲間とも議論し合い、そして自ら考え、研究に没頭することになるでしょう。また、学内での研究活動だけでなく、国内外の学会に参加して発表を行い、研究者同士の交流を深めて研究の和を拡げることも重要です。さらに、企業や研究所での実地経験を積むことでスキルの向上や見識を拡げることができる学外研修を履修することも可能です。海外留学についても、履修年限を延長することなく、正規の学修年限の期間内に経験できるように制度を改めました。是非、海外留学も検討してみてください。
博士前期課程での2年間、さらに進学した場合は博士後期課程での3年間は、本格的な研究に集中する密度の濃い時間を過ごすことになるでしょう。そういった時間は、得てしてあっと言う間に過ぎてしまいますが、その間の研究を通して新たなものを生み出すときの苦労や喜びを体験することが、その後の人生の糧となることを願っています。

工学研究科の沿革

本研究科は、現在、工学部の6学科の上にそれぞれ設置された2専攻、工学(機械工学、電気電子情報工学、応用化学、情報システム創成、経営工学、応用物理学、生命機能工学の7領域からなる)、建築学により構成されています。1993年3月、工学部全学科について博士前期課程および博士後期課程が整備されました。

1967年4月 機械工学専攻、電気工学専攻、応用化学専攻の修士課程(博士前期課程)開設
1971年4月 建築学専攻の修士課程(博士前期課程)開設
1990年4月 機械工学専攻、電気工学専攻、応用化学専攻、建築学専攻の博士課程(博士後期課程)開設
1991年4月 経営工学専攻の修士課程(博士前期課程)開設
1993年4月 経営工学専攻の博士課程(博士後期課程)開設
2003年4月 全専攻の修士課程(博士前期課程)と博士課程(博士後期課程)の定員増および電気工学専攻の電気電子情報工学専攻への名称変更
2019年4月 工学専攻(7領域)と建築学専攻に改組
昭和46年以降の歴代工学研究科委員長
永井宏先生(応用化学専攻) 1971年4月1日~1973年3月31日
原田有先生(建築学専攻) 1973年4月1日~1975年3月31日
堀井隆先生(電気工学専攻) 1975年4月1日~1979年3月31日
粟屋潔先生(電気工学専攻) 1979年4月1日~1981年3月31日
田治米辰雄先生(建築学専攻) 1981年4月1日~1983年11月30日
末武国弘先生(電気工学専攻) 1983年12月1日~1987年3月31日
藤本盛久先生(建築学専攻) 1987年4月1日~1990年7月28日
辻野次郎丸先生(電気工学専攻) 1990年7月29日~2002年3月31日
大熊武司先生(建築学専攻) 2002年4月1日~2004年3月31日
成田清正先生(経営工学専攻) 2004年4月1日~2008年3月31日
遠藤信行先生(電気電子情報工学専攻) 2008年4月1日~2014年3月31日
横澤勉先生(応用化学専攻) 2014年4月1日~2018年3月31日
原村嘉彦先生(工学専攻 機械工学領域) 2018年4月1日~2020年3月31日
林憲玉(工学専攻 機械工学領域) 2020年4月1日~2022年3月31日